2014年10月19日日曜日

究極のClassAAヘッドホンアンプ。設計&実装編(★★★★★お勧め)

最終的な回路図。

※回路図に色々間違いがありました。ごめんなさい。差し替えました。
※電源部分を間違っていたので修正。

シミュレーションでの評価回路。
※シミュレーションは似通った適当なパーツを使用。

周波数特性。
300kHz近くまでフラット。その後の減衰もなだらか。

歪率。
2Vpp出力時。
Total Harmonic Distortion: 0.000022%

6Vpp出力時。
Total Harmonic Distortion: 0.000064%
この時のバッファ出力抵抗(2.2Ωの両端電圧)の波形は、
B級に近いAB級。したがって、ここでは歪みが発生しているはず。
それでも上記の歪率である。

6Vpp時のオペアンプの負荷状況。
緑線が出力電圧(左縦軸が目盛)。上が+3V、下は-3Vまでスイングしている(6Vpp)。負荷抵抗は、2.2Ω+32Ω(ヘッドホンを想定)。
青線は初段のオペアンプ出力電流(右縦軸が目盛)。±100uAしか流れていないことが分かる。負荷が少ない分、歪みの除去に専念できているはず。
緑線は二段目段のオペアンプ出力電流(右縦軸が目盛)。上が+400uA、下が-600uAしか流れていない。電流増幅よりバランサーの役割の方が大きいことが分かる。

実装。
オペアンプ周辺と、1ch分のバッファまで実装。

全パーツの実装完了。

ケースへ組み込み。オフセットは左右とも数mV以内(全く問題無い値だったため数値は忘れた)。
百均で買ったヘッドホン(吸音材でぐるぐる巻き)をダミーロードとして、ボリュームMAXにしてもオペアンプ・トランジスタ共に全く熱くならない。ぬるま湯ぐらい。

実際の音を聴いてみた。
LME49720NAが支配的な音である。
と言うか、LME49720NAの能力・性格を全て出し切っている音だ。
言葉で表現すると。そうだな、

鳥肌が立った。


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20 件のコメント:

  1. 電源5VのclassAAで電圧増幅側にLME49720NEがとてもいい感じ、振り幅が一番大きいオペアンプでした。電流増幅は4556ADD+トランジスタバッファB級、OPA2134を使うよりよい結果が出ました。計測はRMAA6でした。
    聞いた感じどれも違いがわからないけどいい音でした。
    classAA畏るべし。

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    1. ClassAAの音って初段オペアンプの性格が支配的な感じがしてます。
      あと、電流増幅力が肝だと最近分かりました。上記のコメントもJJの感覚と合ってます。ただ、初段オペアンプを変えると音がガラっと変わる気がするのですが、違いが分かりませんでしたか!?

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    2. 初段OPA2134とLME49720NEを目をつぶって交換しても違いがわからないほどクソ耳で(TT、違うと思ったやつが同じオペアンプだったりしたことも(笑。
      僕の環境だとRMAAでの計測が、この両者歪み率が少し違う結果が出てます。あと、クリップしない最大振り幅がかなり違う、5Vで2dbくらい違います。

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    3. JJは、OPAはメリハリがあってカチっとした音、LMEは穏やかでナチュラルな音のイメージがあります。たぶん、初段をNJMホゲホゲと交換すると違いが分かるかもしれませんよw

      というか、JJはLME49720しか聴いてないや。もしかすると、ClassAAってオペアンプの性能差も吸収してしまうのか!?
      あ、いや、LM324Nを使ったのはイマイチ(それでもLM324Nにしては凄い良い音)だったから、ある程度以上のオペアンプだと聴覚上の差が出にくいのかもしれない。

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  2. 2SA950, 2SC2120を2SA1015,2SC1815,FETはCRD E202で製作する予定ですが代替えは可能でしょうか

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  3. TR代替えの追加情報です。電源はプラス・マイナス15Vです。

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    1. CRDのE202は問題ないです。

      問題は、1815/1015です。この子たちはコレクタ電流が最大でも150mAしか流せません。仮にiPodでも何でもオーディオ機器のライン出力(0dBと仮定)をこのアンプに入力して音量をMAXにした場合、おそらく1815/1015には100mA近い電流が流れます。そうすると熱を持つのでVbeが下がり、さらに電流を流そうとする悪循環が生まれ、最後は熱暴走でトランジスタが逝ってしまうと思います。
      それぞれ、自分のバイアスを作っているダイオードと熱結合する手はありますが、どこまで効果があるかわかりません。。。止めておいた良いと思います。
      音量MAXでなんか使わないとは思いますが、何かの事故でボリュームがグルッと回ることも考えられます。
      他の方の作例を見ても分かると思いますが、終段を1815/1015にする場合は、必ず3つ以上はパラレルにして電流を稼いでます。
      トランジスタは、コレクタ電流の定格(Ic)の1/3ぐらいの範囲で使うのがお約束みたいなものなので、もう少し電流が流せるトランジスタを使った方が安全ですよ。

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    2. ちなみに、2120/950のIcは800mAです。熱結合も放熱対策も不要で、余裕でドライブしてくれます。

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    3. 丁寧な回答ありがとうございました。前回のCLASS AAヘッドフォンアンプを作製しました。大変気に入っていたのですが究極という言葉に見せられてジャンパー部をカットしバッファを追加しました。
      一段と透明感とアタック感が増したようです。これで設置型のヘッドホンアンプの製作は打ちきれます。
      構成はOPA2604とNJM4556、2SA950/2SC2120です。

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  4. JJ様

    初めてお便りします。前回のCLASS AAヘッドフォンアンプを2か月前に作成して
    47系より音の良さは確認しております。今回のバッアートランジスタ付も先週末に
    作成が終わり動作確認しましたが回路図の2段目のOPAMPの入力がミス記入
    されていることに気がつかず3日も悩んだ末昨日やっと動作しました。
    苦労の甲斐も手伝ってでできた音は本当に鳥肌ものです。ありがとうございました。
    現在はOPA2134とA950/C2120にて動作させていますがトランジスタをソケットで
    交換できるようにしており今後エージングとともにOPAMPとトランジスタ交換にて
    楽しみたいと思います。

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    1. 回路図が間違ってました、ごめんなさい。
      指摘いただきありがとうございます。

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  5. このコメントは投稿者によって削除されました。

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  6. 以前ポタアンを作った者です。
    ClassAAに惚れ込んでしまいました。
    そこでこちらの据え置きも作ってみたいと思ったのですがせっかくなのでバランスに対応させてみたいと思ったのですがこの回路を4回路作りそれぞれにバランス信号のhotとcoldを入力すればバランスアンプとして動作するでしょうか。
    自分でも調べましたが自信がないもので…

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    1. 理論的には可能と思います。
      バランス出力するデバイスがあるのですよね?そして、Hot/Cold/GNDが出てるのですよね?
      ならば、この基板を2つ作って、LinかRinのどちらかをHot、反対側はその逆、GNDをGNDへ繋げれば1ch分ができるはずです。
      ただし、確かバランス駆動だと1つのアンプから見たヘッドホンのインピーダンスが半分になるので、倍の電流を流そうとします(うるおぼえ)。
      色々心配。

      先ずはNJM5532かNJM4556でChu-Moyアンプを(もちろんステレオで)2つ作って、色々調査してみれば!?もしかすると、それで満足かもしれないし(笑)
      Chu-Moyならステレオ2セット組んでも半日でしょう。
      ケースとかコネクタとかボリュームは後で本格派を作った時に再利用できるしね!

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  7. ありがとうございます。
    DACなんかは長い目で見て揃えて行こうと思っています。とりあえず4回路一緒に作ってしまおうかと…
    ただなにせ受験は来年なもので作るまでには時間がかかりそうです

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  8. 初めましてJJ様
    こちらの記事のClassAAアンプを作らせていただいたのですが、
    PCを最大音量にしても出力音量があまり大きくならないのは仕様でしょうか?
    ヘッドホンはインピーダンス60OHMのものでもう少し音量を上げたいなと思う程度の大きさです
    FETの出力電流が大きすぎたりホイートストンブリッジの可変抵抗を増やしたりで
    JJ様のレイアウト図からかなりごちゃごちゃしたものになってしまったもので
    配線ミスなのか原因がわからなくて困っています。
    一応24kOHMの抵抗を小さくすることで音量を稼ぐことはできたのですが不安なので質問させていただきます。

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    1. 24kΩを小さくすることで対策は合ってます。
      ここで紹介しているヘッドホンアンプは、JJの普段使いのヘッドホン用に設計してあるので、インピーダンスが30Ω~40Ωのヘッドホン向けです。
      60Ωだとゲイン不足で音量が取れないものと思います。

      ただ、24kΩを変更すると出力オフセットが心配です。
      出力オフセットが最小になるように、24kと47kの並列抵抗値が、非反転入力の接地抵抗16kと等しくなるように設計してあります。
      この16kは、必ずボリュームの抵抗値(10k)より大きい必要があります。そうしないと、ボリュームを回した時の音量調整に違和感が出てきます。

      もし入力をショートした時に出力にオフセット電圧が出るようなら、16k抵抗と10kボリュームも見直してみてください。オフセットが10mV以下なら、まぁ大丈夫でしょう。ちょっと気持ち悪いけど。。。

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  9. JJさん初めまして。
    今回こちらのClassAAヘッドホンアンプを作成させていただきました。
    音は出たのですが、2SC2120と2SA950が触れないくらい発熱しております。
    JJさんが製作された際はほとんど発熱しなかったとありますので、何か問題があるのかと色々考えたのですが、原因がわからず困っています。
    考えられる原因がありましたら教えていただけないでしょうか?
    オペアンプ、トランジスタの電源電圧(±12V)に問題はなく、DCオフセットは数mVしか出ておりません。

    お時間のある時にでもお返事いただければと思います。
    宜しくお願いします。

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    1. サワさん、こんばんは。
      サワさんがお使いのヘッドホンのインピーダンスが低い(16Ω等)のではないでしょうか?
      このヘッドホンアンプは、ヘッドホンのインピーダンスが30~40Ω向けに作ってあります。
      もし、16Ωのヘッドホンを使った場合、2120/950の定格600mWに近い電力を消費することになるので、かなり熱を持つと推測します。
      または、定電流源に使用している2SK246のIdssが高く、2120/950のバイアス電圧が高くなっている可能性があります。2SK246のIdssは評価回路の通り、2mA前後のものを選別する必要があります。

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    2. JJさんこんばんは。
      早速のお返事ありがとうございます。
      ご指摘を受けて、使用した2SK246のIdssを測定すると10mAでした。
      よく確認するとBLランクを購入してしまっていました。
      2SK246を手持ちのE202に変更したところ、発熱はまったく無くなりました。
      やはりきちんと回路動作を理解してから作らないと駄目ですね…。
      これで安心して使用することができます。
      JJさんのA47式も作成しており気に入っていたのですが、こちらもとても好みの音色です。
      電解コンデンサや半導体はソケットで交換できるように作ったので、これから色々と実験して遊んでみたいと思います。

      丁寧にアドバイスをしていただき、ありがとうございました。

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