2014年10月22日水曜日

【訂正記事 完結】ClassAA再び。パワーアンプ編(★★★★お勧め)

前回の投稿より、

R1~R4全ての抵抗の誤差が5%の場合、

R1*R3=R2*R4

が成り立つためには、R3が約±2Ωの調整が必要なことがわかった。
しかし、10Ωを中心として±2Ωとすると、12Ωの可変抵抗器(それも多回転)が必要となる。しかし、そんな都合の良いものは存在しない(あるかもしれないがたぶん高価)。

ここでR3の理想的な回路を考えてみる。実はR3は10Ωを中心として±2Ωが可変であればいいのである。したがって、
これがR3の理想的な回路だと思う。この合成抵抗の抵抗値の範囲は、
8.2Ω~11.79Ωであるので、前回の投稿のR3の最適値範囲を完全にカバーしている。それに加え、10Ω可変抵抗器での調整幅が2Ωになり、超精密な調整が可能となる。

が、しかし!

既に回路を実装済み、かつ、Wブリッジ部分は混み合っており、今さら抵抗1本と多回転可変抵抗器を実装する場所が無い。。。

そこで、次のように妥協した。
つまり、R1の抵抗値を少し大きくして、R3を10ΩのVRとするのである。
結局は、R1*VR3=R2*R4さえ成り立てばいいのである。ホイートストンブリッジのテクニクスが考えた黄金比は崩れるが、JJには黄金比の論理的理由が分からないからいいのだ。

この変更により、VR3は、

最悪ケース1最悪ケース2
最大値最小値
R2(33Ω)34.6531.35
R4(0.1Ω)0.1050.095
R2*R43.638252.97825
最小値最大値
R1(0.39Ω)0.37050.4095
VR3(10Ω)の最適値9.8198380577.272893773

となるので、完全に調整範囲内に入る。

ということで、修正後の回路図。
Wブリッジ部分のみ修正。

パーツレイアウト図は、、、
Wブリッジ部分が重なってるやん!
※NJM7915部分も重なってるが、この重なってるコンデンサってタンタルコンだから実際はずっと小さいんですよ。


いや、既に実装済みだもんで、分かってますよ、無理矢理ですよ。
ここはJJの実装技術を屈指してと。

先ずはポテンショメータ(多回転可変抵抗器)の下準備。真ん中の端子は予めどちらか一方の端子と接続しておく。

Wブリッジの実装部分はこんな感じ(笑)
この投稿は、既に実装した人向けに書いてある(あまりにも申し訳ないので…)から、新規に実装する人はちゃんとレイアウトを引き直してね。

Wブリッジの調整方法であるが、一端ブリッジに繋がっている全ての線(パターン)をカットして、
この状態でポテンショメーターを回し、電圧がゼロになるように調整する。
その後は、一端カットしたパターンを再度繋げて終わりである。

出来上がったアンプの全貌。
回路正面見えるアングル。

回路背面が見えるアングル。

ホムセンのL字金具が良い仕事をしている。
見ての通り、オペアンプとパワーオペアンプ以外は全て一般品である。
抵抗はカーボンに酸金、電源用の電解コンは一番安い一般品。
この中で一番高価なのは、やっぱり大きさに比例してトランスだ。でも、やっぱりトロなんとか、なんとかコアと違っていたって普通のトランス。
あっ!ボリュームにちょっといいの使ってた(笑)

今回の修正の結果としては、

この修正前は初段のオペアンプがギリ触れるぐらいアッチッチだったのが、ほんのり温かい程度までに下がった!

良かった、大成功。やっぱりいい加減に作っちゃダメよね。反省。。。

相変わらずClassAAの音は素晴らしい。終段オペアンプの出力が最大2Aなため、パワーアンプとしては小出力であるが、全くそれを感じさせない。
究極のClassAAヘッドホンアンプ編でも使ったが、マジ鳥肌

このアンプはLM675TをClassAAで試すための、少々企画モノと考えている。
そして、まだこのアンプには改善点があるのだ。
それは、究極のClassAAヘッドホンアンプ編と同じロジックにすること。

つまり、今はオペアンプの1回路をボルテージフォロアで眠ってもらっているが、こいつをバランサーとして、終段(というか、Wブリッジの前)に大きな電流を流せるトランジスタなりFETでバッファを付けることである。

現在、お気に入りのサンケン製トランジスタで構想中。。。
おそらく、究極のClassAAパワーアンプとなり、お勧め★が1つ増えるはず!


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6 件のコメント:

  1. 解決早!

    そうそう、sp鳴らすには電流容量いるっぽいですね。
    オシロで波形見てると、音圧の強いときに、
    電圧的にはクリップするはずのない低電圧で
    サチってたりしてます(音も割れるっぽい)。
    電力が足らなくてクリップしてるっぽいです。
    小型spといえども結構な電源・電流容量いるのかなあ。。

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    1. その音圧が強い時って、低域が強い音では?
      スピーカーでもヘッドホンでも低域って電力が必要なんですよね。確かインピーダンスが低域で高いのが理由だったはず。
      それでみんな低域増強のためにありえない容量のコンデンサを積むんですよね(笑)

      または、音の立ち上がりが速くて、回路が追いついてないとか?
      オシロがあるならパルス波で確認してみては!

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  2. 高音でサチるんですよ。
    純抵抗なら無問題、spでサチるので、
    spのバネ特性によるもんぢゃまいか?
    と思ってますが、当隊はまだ未解決です。

    実用的にはアンプの電流容量上げりゃ
    OKと思いますのでサンケン使用の
    パワー段に期待です~

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    1. もう設計は出来てるんですよー
      あとはパーツレイアウト。これが一番面倒でもあり、面白くもある。

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  3. はじめまして。CLASS-AA 面白い回路ですね。こちらでも調べてみたらA.M.SANDMA博士のCLASS-S回路と特許権で争ったみたいですね。元ネタのCLASS-S回路も面白そうです。

    このページの中程に回路図あり
    http://www.tubecad.com/2014/03/blog0285.htm

    ちなみにですがAPEX社にはMAX50Aまで流せるパワーオペアンプがありますよ。https://www.apexanalog.com/products/matrix_high-current.html

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  4. こんにちは。こちらのアンプを大体そのまま作りましたので、ご報告します。
    オリジナルと異なる点は、電源を安定化したこと・ICをLM675から1875に変更したことなどです。
    以下のページで少し紹介させていただきました。
    http://jo4efc.blogspot.jp/2016/05/1.html (私のブログです)

    返信削除

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