2014年10月5日日曜日

Tr差動入力、終段ダーリントントランジスタの10W級パワーアンプ製作(★★★★★お勧め)

こちらに改善版の記事を投稿してます。

設計から実装まで、どのような過程で作って行くのか書いてみる。

まずは設計。トラ本とか過去の作品を参考に大まかな回路を決め、シミュレーションで詰めていく。
ここでは、Linear Technology社のLTspice IVを使ってシミュレーションを行いながら各種の定数を決めていく。ライブラリは自社パーツが主だけど、ネットにSpice Modelと呼ばれる他社パーツの定義ファイルが転がってたりするから、東芝製のトランジスタなんかはそれを使う。
LTspiceでのシミュレーション風景。
ここで自分の中の仕様に合うように、主要なポイントの電圧・電流をチェックして、周波数特性、オフセットの調整可能性、歪率なんかをシミュレーションして各種定数を決めていく。ライブラリに無いパーツは、ネットから拾ったり、似たような仕様のLinear Technology社のパーツを代用して使う。
この工程で、作るアンプの性能や味付けが決まるから、一番重要な工程かもしれない。


清書する。水魚堂さんのBSch3Vという素晴らしい回路図CADを使って見栄えが良い回路図として清書する。これは、このブログへの公開用と、自分のノウハウの備蓄のためである。
本当に素晴らしいSWである。とても使いやすいし、出来映えがとても美しい。水魚堂さんに感謝。


仕様がFIXしたら、次はEAGLEという、CadSoft社の回路レイアウトSWを使って、パーツレイアウトを検討する。

こんな具合に普通に回路を引いていき全体が完成したら、次は同SWのレイアウトモードでの作業となる。
※レイアウト図にもんのすごい間違いがあったので差し替え
この工程はパズルみたいでとても好きな作業だ。一番こだわるのはシンメトリーかもしれない。あとは、なるべく配線しやすいようにとか。
この工程には、なるべく現物があった方がよい。だいたいの目安でパーツ選んで置いちゃうと、後で近くのパーツに干渉してそこに置けなかったり(したことがこれまで何回あったことか)するのだ。
ちなみに上図は、サンハヤトICB-288を前提としている。
最終段Trを取り付ける側はヤスリでランド穴ギリギリまで削ること。そうしないと、Trの背面をケースに取り付ける時浮いてしまう。


話が前後するが、なるべく①か②の後にパーツをそろえた方が良い。③にも書いているが、どうしても混み入った部分は、現物合わせをしたくなるのだ。
で、ここではパーツの調達とその整理である。差動入力の場合、TrでもFETでも特性を合わせる必要がある。そして、作業中に抵抗のカラーコード読んでると効率が悪いので、ここで整理しておく。
トランジスタのペア取り。
何十個かのトランジスタをテスターのhFE測定モードで測って、両面テープが貼ってある大きな紙へ値と一緒に貼り付けていく。
ある程度、値がそろったのが出てきたら選別して、別の小さなメモ用紙に同じく整理して両面テープで貼り付ける。地味だが心落ち着く作業である。

抵抗は、抵抗値毎にまとめて別のメモ用紙に貼り付ける。
この作業をしてるかしてないかで、その後の実装の効率がえらく変わるのだ。


ここまできて初めて実装を始める。
先ずは実装前の腹ごしらえ。やっぱり餃子は自家製に限る。餃子は、ビールに合う食べ物No.1である。『餃子』の由来は「食べて交合えば子ができる」というぐらいにスタミナ食なのである。皮が炭水化物、具に肉と野菜が入ってるから完全食品と言える。
実装前なので、ビールは控えめに。。。
半分食べ終わったところで撮影。次は皮も自分で作ろう。

作業机の液晶ディスプレイに、印刷したレイアウト図を貼り付けて実装開始!

先ず最初に太めのスズメッキ線でアースラインを実装して、後でやると面倒なジャンパ線も実装。ついでに入出力も実装しておく。入出力端子に直接繋げるパーツも、これもついでに実装しておく。

※以下、定電流用トランジスタのレイアウトが間違ってます!上のレイアウト図は訂正済みです。
恥ずかしい。。。なんであんな変な間違いしたんだろう(汗)
差動入力と定電流回路、±15Vのレギュレーターまで実装。ふぅ。。。

 2段目と終段Trのバイアス部分を実装。

おっと、位相補償用のスチロールコンデンサを忘れていた。中央の銀色のやつ。220p也。

終段Trへ電力を供給するコンデンサの実装まで完了。
そそり建つ黒い電源用コンデンサに萌える。

最後にご本尊(ダーリントントランジスタ)を実装。既に穴開け済みの放熱兼用ケースと穴位置があうように、ユニバーサル基板のジャンクを使って固定後に実装。

全パーツの実装完了!

ステレオ分完成!
尻尾みたいに出てる線はアース線。2本をケースへ共締めする。

これからアルミケースへインストールして調整が待っている!


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3 件のコメント:

  1. おお! 初の星5つ!?
    これはマネせねば。
    (初段の差動を別基板にしていろいろ試しちゃおう)

    ギョウザの皮も自作したほうがいいっぽいです。
    中国の奥様方は麺棒を上手に使って2アクションでサッサッと延ばします。
    これができないと奥様失格らしいです。
    あちらの人たちは水餃子ばっかりですね。

    当アマチュア堰堤観察家は「手打ちうどん」で対抗してます。
    鰹節と白醤油、豚と玉葱の汁の「西丹沢バージョン」が好評です。

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    1. 餃子の皮、自作スタンバってますよ!既に餃子の皮用の麺棒を購入済み(笑)

      いつものようないつもの回路ですが良い音です。
      若干位相補償が強めなので、220pを減らしてみようかと思案中。。。
      とても綺麗な高域なのですが、伸びが足りないような気がするんです。
      試行錯誤して上手くいったらまた記事を上げます。

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    2. あ、もしタンタルコンを使うなら極性は注意して!簡単に破裂します!
      飲みながらやらないこと(笑)

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