本格的なTr差動入力アンプ
12VのACアダプターを電源として利用し、NJM386で両電源を生成するのが特徴的だろう。アンプ部は、トランジスタの教科書に載ってそうなぐらいオーソドックスなものだが、トランジスタ差動入力+出力段がインバーテッドダーリントン接続トランジスタと本格的なものだ。
パーツレイアウト
南側に空き地があるから、色々と改造の余地がある。
頑張れば電源部を一緒にできそうだが、モジュール化しておいた方が使い回しができるため後々便利だ。
パーツレイアウトは、自分が利用するパーツで必ず現物合わせをすること。コンデンサ1つにしても、同じ容量・耐圧でも種類によってサイズはまちまちだし。
実装後
定電流源のリファレンスにLEDを使うと、音楽聴きながら眺めていても癒やされる(笑) が、外来ノイズを拾うかもしれないからフタはした方が良い。
どのくらいのコストになるのか、真面目に(笑)計算してみた。
アンプ部(2ch分) | |||||
パーツ | 個数 | 単価 | 価格 | 購入先 | 備考 |
2SC1815(GR) | 4 | 10 | 40 | 秋月 | Hfe:300以上が望ましい |
2SC1015(GR) | 2 | 10 | 20 | 秋月 | Hfe:300以上が望ましい |
2SC1815(Y) | 6 | 8 | 48 | 秋月 | Hfe:100~200。適当 |
2SC1015(Y) | 2 | 10 | 20 | 秋月 | Hfe:100~200。適当 |
2SC2120(Y) | 2 | 10 | 20 | 秋月 | Hfe:100~200。適当 |
2SA950(Y) | 2 | 10 | 20 | 秋月 | Hfe:100~200。適当 |
1N4148 | 4 | 2 | 8 | 秋月 | |
赤色LED 3mm | 2 | 5 | 10 | 秋月 | Vf:1.85V(5mA)前後が望ましい |
0.1u積セラ | 4 | 10 | 40 | 秋月 | |
100Ω多回転半固定ボリューム | 2 | 80 | 160 | 秋月 | |
1/4Wカーボン抵抗 | 24 | 1 | 24 | 秋月 | 出力抵抗を10Ωx2個を並列とした場合 |
10k Aカーブ 2連ボリューム | 1 | 145 | 145 | マルツ | |
3.3pマイカ | 2 | 200 | 400 | ラジオデパート | |
100pポリプロピレンフィルム | 2 | 16 | 32 | 千石 | |
100u/6.3Vニッケミ無極性電解 | 4 | 4 | 16 | 千石 | |
4700u/10V東信UTES電解 | 4 | 74 | 296 | 千石 | |
小計 | 1299 | ||||
電源部 | |||||
パーツ | 個数 | 単価 | 価格 | 購入先 | 備考 |
NJM386BD | 1 | 50 | 50 | 秋月 | LM386でも可 |
1/4Wカーボン抵抗 | 1 | 1 | 1 | 秋月 | |
赤色LED 3mm | 1 | 5 | 5 | 秋月 | 色は好みで。高輝度の青がクール |
1MΩ多回転半固定ボリューム | 1 | 80 | 80 | 秋月 | |
100u/16V OS-CON | 2 | 50 | 100 | 秋月 | |
小計 | 236 | ||||
合計 | 1535 |
回路図にあるものだけでこれぐらい。マイカコンだけはどうしても高価になってしまう。ここに積セラは禁じ手だからしょうがない。実際には基板や線材やターミナル、ジャック類、ACアダプター、ネジやスペーサー類、アルミケースやボリュームつまみ等が必要。
また、束で売られてるものがあるため、この表の単価で買える訳でもない。
(100u無極性の電解コンは、オーディオ用と騙されてメタリックグリーンのヤツを使ってはダメだ。無用な味付けしてあり、音が曇ってしまう)
しかし、アンプ部以外は使い回しができるし、余ったパーツでもう1つ、改善点を見いだしてもう2つ、3つ…と作りたくなるから、初期投資としては高くはない。
例えば、定電流源のリファレンスをLEDじゃなく、ツェナー+コンデンサにしてより正確で安定的な定電圧にしてみたり、出力段をダーリントンの2~3パラへしてみたり、電源部のコンデンサを汎用大容量電解コン+積セラへ変えてみたり(この回路ではOS-CONだけで済ませてる)。
その音は、2SC1815/2SA1015らしい野太い元気な音である。一晩エージングすると音が変化し、野太さが減り、繊細さが増していた。
前稿のヘッドホンアンプと比べると劣るものの、コスパはとても良いと思う。
材料は安いが、労力はプライスレスである。
初心者の人でも、今後のベースとなるプラットホームができるから作って損はないのではないだろうか。
1つプラットホームができると、後はアンプ基板だけ作って取っ替え引っ替えできるから、きっとアンプ作りの蟻地獄にハマってしまうであろう。
追伸)
このローコスヘッドホンアンプ、前稿の物量ヘッドホンアンプより電気的な特性は優れている。聴覚上は物量ヘッドホンアンプの方が
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位相補償に積セラは禁じ手とありますが、温度補償特性なら使える派とかパスコンにすら一切使えない派とか製品選べばカップリングでも使える派とか錯綜してますよね
返信削除使えるなら秋月でも10nf以下まではあるんでよさそうですけど
積セラはパスコンには普通に使ってます。高周波ノイズ吸着にはフィルムコンより良いかと。信号が通る道には使わない方が良いというのが定説ですね。音がキンキンするとかなんとか。
削除温度補償特性のはどうなんでしょう?そう言えば最近よく耳にします。これがマイカコンの代わりになると嬉しいんですが、まだ試してません。マイカコンもいつまで入手できるか分からないので。。。
村田製作所のページで温度補償特性のセラコンの説明を読んでみました。マイカコンの代わりに使えそうな気がします。次に作る時は使ってみますね。
削除貴重な情報をありがとうございました。