2016年5月5日木曜日

NJM386で両電源を生成し、汎用トランジスタを使ったローコストなヘッドホンアンプ

2SC1815/2SA1015と2SC2120/2SA950は、秋月で束で売られている汎用トランジスタである。その単価は8円~10円。カーボン抵抗なんて、秋月単価は1円である。これらのなるべく汎用品を使い、本格的なヘッドホンアンプを作ってみたい。

本格的なTr差動入力アンプ

12VのACアダプターを電源として利用し、NJM386で両電源を生成するのが特徴的だろう。アンプ部は、トランジスタの教科書に載ってそうなぐらいオーソドックスなものだが、トランジスタ差動入力+出力段がインバーテッドダーリントン接続トランジスタと本格的なものだ。


パーツレイアウト

南側に空き地があるから、色々と改造の余地がある。
頑張れば電源部を一緒にできそうだが、モジュール化しておいた方が使い回しができるため後々便利だ。
パーツレイアウトは、自分が利用するパーツで必ず現物合わせをすること。コンデンサ1つにしても、同じ容量・耐圧でも種類によってサイズはまちまちだし。


実装後

定電流源のリファレンスにLEDを使うと、音楽聴きながら眺めていても癒やされる(笑) が、外来ノイズを拾うかもしれないからフタはした方が良い。

どのくらいのコストになるのか、真面目に(笑)計算してみた。

アンプ部(2ch分)
パーツ個数単価価格購入先備考
2SC1815(GR)41040秋月Hfe:300以上が望ましい
2SC1015(GR)21020秋月Hfe:300以上が望ましい
2SC1815(Y)6848秋月Hfe:100~200。適当
2SC1015(Y)21020秋月Hfe:100~200。適当
2SC2120(Y)21020秋月Hfe:100~200。適当
2SA950(Y)21020秋月Hfe:100~200。適当
1N4148428秋月
赤色LED 3mm2510秋月Vf:1.85V(5mA)前後が望ましい
0.1u積セラ41040秋月
100Ω多回転半固定ボリューム280160秋月
1/4Wカーボン抵抗24124秋月出力抵抗を10Ωx2個を並列とした場合
10k Aカーブ 2連ボリューム1145145マルツ
3.3pマイカ2200400ラジオデパート
100pポリプロピレンフィルム21632千石
100u/6.3Vニッケミ無極性電解4416千石
4700u/10V東信UTES電解474296千石
小計1299
電源部
パーツ個数単価価格購入先備考
NJM386BD15050秋月LM386でも可
1/4Wカーボン抵抗111秋月
赤色LED 3mm155秋月色は好みで。高輝度の青がクール
1MΩ多回転半固定ボリューム18080秋月
100u/16V OS-CON250100秋月
小計236
合計1535

回路図にあるものだけでこれぐらい。マイカコンだけはどうしても高価になってしまう。ここに積セラは禁じ手だからしょうがない。実際には基板や線材やターミナル、ジャック類、ACアダプター、ネジやスペーサー類、アルミケースやボリュームつまみ等が必要。
また、束で売られてるものがあるため、この表の単価で買える訳でもない。
(100u無極性の電解コンは、オーディオ用と騙されてメタリックグリーンのヤツを使ってはダメだ。無用な味付けしてあり、音が曇ってしまう)

しかし、アンプ部以外は使い回しができるし、余ったパーツでもう1つ、改善点を見いだしてもう2つ、3つ…と作りたくなるから、初期投資としては高くはない。
例えば、定電流源のリファレンスをLEDじゃなく、ツェナー+コンデンサにしてより正確で安定的な定電圧にしてみたり、出力段をダーリントンの2~3パラへしてみたり、電源部のコンデンサを汎用大容量電解コン+積セラへ変えてみたり(この回路ではOS-CONだけで済ませてる)。

その音は、2SC1815/2SA1015らしい野太い元気な音である。一晩エージングすると音が変化し、野太さが減り、繊細さが増していた。
前稿のヘッドホンアンプと比べると劣るものの、コスパはとても良いと思う。
材料は安いが、労力はプライスレスである。

初心者の人でも、今後のベースとなるプラットホームができるから作って損はないのではないだろうか。
1つプラットホームができると、後はアンプ基板だけ作って取っ替え引っ替えできるから、きっとアンプ作りの蟻地獄にハマってしまうであろう。

追伸)
このローコスヘッドホンアンプ、前稿の物量ヘッドホンアンプより電気的な特性は優れている。聴覚上は物量ヘッドホンアンプの方が遙かに良いのにも関わらずだ。実はなかなか侮れないローコスヘッドホンアンプなのだ。


ポチっと押していただくと、僕のランキングが上がって創作意欲が湧いてくるんです(笑)
ご協力をお願いします m(_ _)m
☆にほんブログ村 電子工作
☆にほんブログ村 オーディオ

3 件のコメント:

  1. 位相補償に積セラは禁じ手とありますが、温度補償特性なら使える派とかパスコンにすら一切使えない派とか製品選べばカップリングでも使える派とか錯綜してますよね
    使えるなら秋月でも10nf以下まではあるんでよさそうですけど

    返信削除
    返信
    1. 積セラはパスコンには普通に使ってます。高周波ノイズ吸着にはフィルムコンより良いかと。信号が通る道には使わない方が良いというのが定説ですね。音がキンキンするとかなんとか。
      温度補償特性のはどうなんでしょう?そう言えば最近よく耳にします。これがマイカコンの代わりになると嬉しいんですが、まだ試してません。マイカコンもいつまで入手できるか分からないので。。。

      削除
    2. 村田製作所のページで温度補償特性のセラコンの説明を読んでみました。マイカコンの代わりに使えそうな気がします。次に作る時は使ってみますね。
      貴重な情報をありがとうございました。

      削除

記事の間違い指摘や質問等あればお気軽に。
また、本記事を参考にする場合は自己責任にて。