2015年11月17日火曜日

前記事のヘッドホンアンプの特性を測定してみる(★★★★★お勧め)

前記事で作ったヘッドホンアンプ(以下HPA)の特性をRMAAを使って測定してみた。

先ずはSummary

これだけ見ると平凡な特性である。
しかし、この特性を測定するためには、PCとHPAの間にUSBオーディオデバイス(ベリンガー)があるのだが、このデバイスの性能が良くないのだ。
並べて比較してみよう。

ベリンガーとの比較

この左列のベリンガーの数値は、自分自身をループバックして測定したものである。したがって、理論上この数値が表現上の上限となってしまう。
この表を見て分かる通り、frequency response(周波数応答?)以外は、誤差範囲と言って良いほど数値に変化が無い。つまり、ベリンガーのせいで本当の特性が隠されているのだ。
ノイズレベルの比較グラフを見てみよう。

ノイズレベル比較

白がベリンガー、緑が前記事のHPAである。
緑から白を除算してみると、ほとんどノイズが残らないであろう。
50Hzにあるノイズは、HPAがトランスから電源を取っているための、AC100Vラインからのノイズである(JJは関東圏住まいなので)。それでも-100dBを少し超えるくらいだから、聴感上は全く問題にならない値である。
おそらく生の特性では、ノイズレベルは-100dBを下回り、ダイナミックレンジは100dBを上回っているのではないか。

この傾向は歪率も同じである。終段にMOS-FETを使っているが、アイドル電流は30mA(現在は60mA)程度である。MOS-FETの線形領域に達してないはず※であるが、そこはオペアンプのNFBに任せて、歪みはバッサリ補正してくれる。
本当の歪率は、上記の比較表で単純に引き算した値、0.050-0.045=0.005に近いのではないだろうか。
※もしかすると達しているかもしれないが、MOS-FETのデータシートのグラフのオーダーが大きすぎて、立ち上がりから線形領域までの電流が読み取れない(笑)

また、このHPAは入力Cに、0.22uFのフィルムコンデンサを並列に5つ入れてある。最初は異種コンデンサ(電解コン+フィルムコン等)の組み合わせを考えたが、組み合わせのチューニングが面倒なのと、もしかするとクロスオーバー歪みが出るかもしれないため、まったく同じ特性のフィルムコンデンサを並列にする試みをしたのである。


入力C(笑)
いくつかの抵抗は立体配線だ(笑)

この試みは大成功と言える。
特性は良いが、低容量なため安価な、どこでも売ってる積層フィルムコンデンサを使えるメリットがある。そして並列接続なため、応答速度に寄与している可能性もある。

とにかく、左右の分離と音の分離が良く、ノイズと歪みも皆無な、ダイナミックレンジと音場の広がりが良い、とても良いHAPに仕上がった。


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2015年11月9日月曜日

非コンプリメンタリなMOS-FETでヘッドホンアンプを作る(★★★★★お勧め)

コンプリメンタリなMOS-FETの入手が困難になってきている。
若松なんかでコンプリを売りにしたMOS-FETのペアなんて、1ペアで千数百円以上はする。。。辛うじてチップだといくつかあるが、実装が面倒だし、あまり電流を流せなくてミスるとすぐ燃えるw

ということで、非コンプリメンタリなMOS-FETのペアを終段として、ヘッドホンアンプを作ってみた。要するに、同じような特性のNchとPchの安価なMOS-FETを見つければ出来たも同然だ!


非コンプリ終段

電力増幅段に、2SK2232と2SJ334を使ったプッシュプル回路だ。
この2SK2232と2SJ334、コンプリメンタリと言って良いぐらい同じような特性だ。
それに秋月に置いてあって、1個100~150円と安価である。
アイドルは、30mA(現在は60mA)ほど流れるように10kBの可変抵抗を設定してある。


実装後

オペアンプ以外は全て一般品。一部、手持ちで同一種で抵抗値が揃わず、無駄に金属被膜抵抗を使っているw
この中で一番高価なのは、3.3pのマイカコンだろう。

その音は、久々のホームラン級である。神レベル(当人比)
このオペアンプの音は好きだ。

入力Cと終段FETのおかげで、恐ろしくクロストーク性能が良い。
左右の分離と音の分離が良く、解像度が高くダイナミックレンジが広いヘッドホンアンプとなった。


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2015年10月25日日曜日

MOS-FET複合チップ(Si6544DQ)を使ったヘッドホンアンプ(★★★お勧め)

ずーっと以前から気になっていた、秋月に置いてあるSi6544DQ。N-ChとP-ChのMOS-FETが1つのパッケージに収まっている。
気になっているだけで使わなかったのは、その大きさ。


真ん中のチップがSi6544DQ

左隣はお決まりの2SC1815。およそ2mm幅内に4本のピンが…
これをDIP化するのが面倒で、使わなかったのだ。

DIP化&Trと熱結合

DIP化ついでに、バイアス生成用の2SC1815と熱結合。
ここまでくれば、もう出来たも同然!


回路図忘れてた

オペアンプを反転入力で使って、利得無しのバッファアンプだ。


完成!

Si6544DQのDIP化さえ出来てしまえば、割と単純・簡単な実装だ。
Si6544DQのアイドル電流は20mA流すように10kBのボリュームで調整してある。この10kB、実装前に抵抗値が最小値となるように回し切っておこう。そうしないと、実装後の電源オンでいきなりSi6544DQが燃えてしまうであろう(笑)

その音は、ダイナミックレンジが広く、ノイズレベルが低い、とてもクリアな音である♪
調整ミスると燃えるから★は3つで(笑)


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2015年9月20日日曜日

ヘッドホンアンプに利得は必要なのか?(★★★★お勧め)

JJは大昔はDENONのウッドフレームのレコードプレイヤーで音楽を聴いていたのだが、何回かの引っ越しを経て、住宅事情等もあり手放してしまった。
それからは、PCから制御できるのが便利で据え置き型のネットワークプレイヤーを使っていた。つまり妥協の産物で圧縮音源を聴いていたのだ。

ふとしたご縁から、DENONの据え置き型の巨大なCD/DVD/BDプレイヤー(DVD-3800BD)をいただき、最近はもっぱらこれでCDを聴いている。BDのピックアップが死んでるが、CDを聴くには十二分な音を出してくれる。

ここで気がついたのが、ネットワークプレイヤーとCDプレイヤーのライン出力値の違いである。ネットワークプレイヤーのライン出力は最大1.4Vrmsの出力(実測値)であるが、CDプレイヤーのそれは、2.0Vrms(カタログ値)である。
※プレイヤー側の出力インピーダンスも関係してくるが、ややこしくなるのでここでは触れない。

ネットワークプレイヤーのライン出力値は手元(PC)で音量調整ができるが、CDプレイヤーのライン出力値は固定である。つまり、CDプレイヤーでは、常に最大出力の信号が送出されている。したがって、数倍の利得を持つヘッドホンアンプを繋ぐと、アンプのボリューム位置が時計の針で言うと、もう9時の位置で爆音になってしまうのだ。

0dBなバッファ型のヘッドホンアンプなら問題が少し解決するが、(アンプの作りにもよるが)負帰還が掛からない分、歪率が悪くなったり、(アンプの作りにもよるが)入出力Cによる味付けにも善し悪しが出てくる。

電流も取り出せて、負帰還によって歪率も低く抑えたい…との欲求により、次のような回路を考えてみた。


オペアンプを反転入力で使う

何のことは無い、オペアンプを利得1倍の反転入力で使い、出力段にトランジスタのバッファを追加したもの。ポイントとしては、

・FET入力型のオペアンプを利得1倍の反転入力として使う
・帰還抵抗に位相補償Cを並列に入れ、高域の安定度を図る
・バッファ部の電源は、クロストーク対策としてCRフィルタ(51Ω+1,000u)を介する

巷の作例では、そのほとんどがオペアンプを非反転入力で使っているが、反転入力で使うと高域のガヤガヤした感じが和らぐような傾向があるようだ。これも実際に聴いてみて実感している。高域はスッキリとしているが、各楽器の分離が良い音である。


シミュレーションした周波数特性

入力Cが無いおかげて低域の減衰が無く、高域は位相補償がほどよく効いて素直に落ちている。歪みはどうなっているだろうか?


高調波歪みが少し(1Vp-p出力時)

5次まで高調波歪みが出ているが、3次でも-120dBまで低い。聴覚上で感じることは無いであろう。全高調波歪は、
Total Harmonic Distortion: 0.000127%
であった。

当初の目論見通り、ボリューム位置が2時ぐらいまで回せるようになり、CDプレイヤーの音から、何も足さず何も引かない、とても素直で癖の無い音のように感じる。

オペアンプを使うと作るのが楽でよい。


パーツレイアウト

作って直ぐ、DVD-3800BDをいただいたお礼に送付してしまったので、基板等の写真を撮り忘れてしまった。。。その音の評価を待ってみよう。


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2015年8月2日日曜日

2SC2655/2SA1020を使ったヘッドホンアンプ(★★★★お勧め)

秋月から面白そうなトランジスタが出てたからヘッドホンアンプ作ってみた。
見るからに良さ気。



ここはシンプルな回路で。

LEDは高輝度タイプ

教科書に載ってそうな原始的なオペアンプの回路だ。


LEDが明るすぎw

これはメチャメチャいい音だわ。


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