前記事で作ったヘッドホンアンプ(以下HPA)の特性をRMAAを使って測定してみた。
先ずはSummary
これだけ見ると平凡な特性である。
しかし、この特性を測定するためには、PCとHPAの間にUSBオーディオデバイス(ベリンガー)があるのだが、このデバイスの性能が良くないのだ。
並べて比較してみよう。
ベリンガーとの比較
この左列のベリンガーの数値は、自分自身をループバックして測定したものである。したがって、理論上この数値が表現上の上限となってしまう。
この表を見て分かる通り、frequency response(周波数応答?)以外は、誤差範囲と言って良いほど数値に変化が無い。つまり、ベリンガーのせいで本当の特性が隠されているのだ。
ノイズレベルの比較グラフを見てみよう。
ノイズレベル比較
白がベリンガー、緑が前記事のHPAである。
緑から白を除算してみると、ほとんどノイズが残らないであろう。
50Hzにあるノイズは、HPAがトランスから電源を取っているための、AC100Vラインからのノイズである(JJは関東圏住まいなので)。それでも-100dBを少し超えるくらいだから、聴感上は全く問題にならない値である。
おそらく生の特性では、ノイズレベルは-100dBを下回り、ダイナミックレンジは100dBを上回っているのではないか。
この傾向は歪率も同じである。終段にMOS-FETを使っているが、アイドル電流は30mA
(現在は60mA)程度である。MOS-FETの線形領域に達してないはず※であるが、そこはオペアンプのNFBに任せて、歪みはバッサリ補正してくれる。
本当の歪率は、上記の比較表で単純に引き算した値、0.050-0.045=0.005に近いのではないだろうか。
※もしかすると達しているかもしれないが、MOS-FETのデータシートのグラフのオーダーが大きすぎて、立ち上がりから線形領域までの電流が読み取れない(笑)
また、このHPAは入力Cに、0.22uFのフィルムコンデンサを並列に5つ入れてある。最初は異種コンデンサ(電解コン+フィルムコン等)の組み合わせを考えたが、組み合わせのチューニングが面倒なのと、もしかするとクロスオーバー歪みが出るかもしれないため、まったく同じ特性のフィルムコンデンサを並列にする試みをしたのである。
入力C(笑)
いくつかの抵抗は立体配線だ(笑)
この試みは大成功と言える。
特性は良いが、低容量なため安価な、どこでも売ってる積層フィルムコンデンサを使えるメリットがある。そして並列接続なため、応答速度に寄与している可能性もある。
とにかく、左右の分離と音の分離が良く、ノイズと歪みも皆無な、ダイナミックレンジと音場の広がりが良い、とても良いHAPに仕上がった。
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