JJは大昔はDENONのウッドフレームのレコードプレイヤーで音楽を聴いていたのだが、何回かの引っ越しを経て、住宅事情等もあり手放してしまった。
それからは、PCから制御できるのが便利で据え置き型のネットワークプレイヤーを使っていた。つまり妥協の産物で圧縮音源を聴いていたのだ。
ふとしたご縁から、DENONの据え置き型の巨大なCD/DVD/BDプレイヤー(DVD-3800BD)をいただき、最近はもっぱらこれでCDを聴いている。BDのピックアップが死んでるが、CDを聴くには十二分な音を出してくれる。
ここで気がついたのが、ネットワークプレイヤーとCDプレイヤーのライン出力値の違いである。ネットワークプレイヤーのライン出力は最大1.4Vrmsの出力(実測値)であるが、CDプレイヤーのそれは、2.0Vrms(カタログ値)である。
※プレイヤー側の出力インピーダンスも関係してくるが、ややこしくなるのでここでは触れない。
ネットワークプレイヤーのライン出力値は手元(PC)で音量調整ができるが、CDプレイヤーのライン出力値は固定である。つまり、CDプレイヤーでは、常に最大出力の信号が送出されている。したがって、数倍の利得を持つヘッドホンアンプを繋ぐと、アンプのボリューム位置が時計の針で言うと、もう9時の位置で爆音になってしまうのだ。
0dBなバッファ型のヘッドホンアンプなら問題が少し解決するが、(アンプの作りにもよるが)負帰還が掛からない分、歪率が悪くなったり、(アンプの作りにもよるが)入出力Cによる味付けにも善し悪しが出てくる。
電流も取り出せて、負帰還によって歪率も低く抑えたい…との欲求により、次のような回路を考えてみた。
オペアンプを反転入力で使う
何のことは無い、オペアンプを利得1倍の反転入力で使い、出力段にトランジスタのバッファを追加したもの。ポイントとしては、
・FET入力型のオペアンプを利得1倍の反転入力として使う
・帰還抵抗に位相補償Cを並列に入れ、高域の安定度を図る
・バッファ部の電源は、クロストーク対策としてCRフィルタ(51Ω+1,000u)を介する
巷の作例では、そのほとんどがオペアンプを非反転入力で使っているが、反転入力で使うと高域のガヤガヤした感じが和らぐような傾向があるようだ。これも実際に聴いてみて実感している。高域はスッキリとしているが、各楽器の分離が良い音である。
シミュレーションした周波数特性
入力Cが無いおかげて低域の減衰が無く、高域は位相補償がほどよく効いて素直に落ちている。歪みはどうなっているだろうか?
高調波歪みが少し(1Vp-p出力時)
5次まで高調波歪みが出ているが、3次でも-120dBまで低い。聴覚上で感じることは無いであろう。全高調波歪は、
Total Harmonic Distortion: 0.000127%
であった。
当初の目論見通り、ボリューム位置が2時ぐらいまで回せるようになり、CDプレイヤーの音から、何も足さず何も引かない、とても素直で癖の無い音のように感じる。
オペアンプを使うと作るのが楽でよい。
パーツレイアウト
作って直ぐ、DVD-3800BDをいただいたお礼に送付してしまったので、基板等の写真を撮り忘れてしまった。。。その音の評価を待ってみよう。
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