前回作った「
たった1石(MOS-FET)ヘッドホンバッファアンプ」を、負荷の有無でどのくらいの違いがあるのか実機を使いRMAAで検証してみた。
負荷は、負荷無しはUSBオーディオ(UCA222)の入力インピーダンスの27kΩ、負荷有りは33Ωのカーボン抵抗とする(普段使いのヘッドホンを想定)。
※負荷無しとは、出力をオープンにすることではなく、負荷が軽い(入力インピーダンスが27kΩで、ほとんど電流を必要としない)ということである。
サマリー
左から測定に使ったUCA222のループバック、負荷無し、負荷有りの結果である。やはり33Ωの負荷だと歪率、IMD特性(混変調歪み)、クロストーク値の低下が顕著に現れている。しかし、UCA222の悪い下駄を履かせた状態であるので、少し大目に見て欲しい。
周波数特性
負荷有りだとほんの少し低域が下がるが、ほとんど劣化していない。高域のクネクネはUCA222のクセなので気にしないで欲しい。そして、RMAAは20kHzまでしか測定できないため、20kHzでぶった切られる。
ノイズレベル
ノイズレベルはほとんど劣化せず。最大1.3dBの差しか無い。
概ね-120dB付近と低い値である。
ダイナミックレンジ
ダイナミックレンジもあまり劣化してない。たった1石のMOS-FETで利得無しで88.9dBは立派ではないだろうか。
微妙に周波数がずれているのが気になるが。
全高調波歪
負荷有りは、特に高域の歪みが悪化している。
しかし、負荷の有無で約0.05%の違いでしかない。そして約0.1%の歪みは聴感上で分かる人はいないのではないか。さらにこの歪みが良い味を出すことも考えられる。
微妙に周波数がずれているのが気になるが。。。
IMD特性(混変調歪み)
よく分からないが、全高調波歪と数値的にあまり変わらないから、色んな音が混ざってもそれほど特性が劣化しない…とポジティブにとらえよう。
微妙に周波数がずれているのが気になるが。。。。なんでだ!?
クロストーク
さすがに負荷が33Ωだとクロストークが劣化する。一番劣化が激しい項目である。元々低域は指向性が無いから問題視してないが、高域でも-66dBは確保してるからまぁまぁではなかろうか。たぶん、-66dBで音が漏れても糞耳なJJには聞こえない。
このアンプは0dBアンプである。つまり利得が無いのだ。
そのため、測定時はフルパワー状態で稼働している(そうしないとRMAAが測定モードに入らない)。
したがって、通常のリスニングでは、もっと特性が良い状態で聴いていることになる。これらの測定結果は参考値と考えて欲しい。
実聴するとこんな数値がバカらしく感じる。
最後に、このアンプは発熱が多いため、ケースの蓋に穴を空けて放熱対策を施した。この状態で、プリアンプの出力ボリュームを最大、このアンプのボリュームを最大(つまりフルパワー)で数時間稼働後、MOS FETの温度が90度、コンデンサ付近の温度が63度であった。
データシートの許容範囲に余裕で収まる温度と分かり、これで連続稼働も安心である。
もし、自分でも作ってみたい…と思った人は、放熱対策を十分して欲しい。
あまり綺麗な穴ではない。。。
ドリルの切れ味が劣化していた(笑)
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