だいたいのCDプレイヤーは、判で押したような下記の仕様になっている。
どうやら、どのメーカーもCDプレイヤーのライン出力は、10kΩ以上の負荷で2Vrms前後の出力になっているらしい。
2VrmsをVp-p表記すると、5.6V以上の±振幅があることになる。
一見ヘッドホンを鳴らすには十分な電圧であるが、負荷が10kΩ以上の条件があるため、電流が取れない。そのまま非常に低い(30Ω~60Ω)インピーダンスのヘッドホンを繋ぐと、過電流でCDプレイヤーが壊れるかもしれない。
したがって、ヘッドホンアンプが必要となるのだが、上記の通り電圧は高いため、少しでも利得があるとボリュームが時計の針の9時ぐらいで爆音になるし、バッファのみだと歪みが出るしで、いつも頭を悩ませる。。。
で考えたのが、アッテネーターを噛ませてライン出力を減衰させることだ。
アッテネーターを噛ませてみた
このアッテネーターの抵抗値で、振幅が半分になる計算だ。
このヘッドホンアンプ自体の利得は3倍であるが、ボリュームが時計の針で12時の位置で一番良い音量になる。それでも少々音量が大きいが、デジタルオーディオプレーヤーのライン出力は低いため、あまりアッテネーターで減衰すると色んなオーディオ機器に対応できなくなる。この辺りが丁度良いのではないだろうか。
以下、もし作る際のパーツ指定。
- アッテネーターに使う抵抗は、なるべく高品質なものを
- 3.3pはディップマイカコンデンサ
- 100pはスチロールコンデンサ
- 2.2uのフィルムコンは、ニッセイMMTか、パナソニックECQV
- 小容量の電解コンはタンタルコンデンサ、大容量のは普通の電解コン
- 0.1uは積セラでOK
- 抵抗は普通のカーボンでOK
パーツレイアウト
以下、実装後の写真集。
コンパクトに収まり、綺麗に出来た。
RMAA測定結果
左がこのアンプ、右が測定に使ったUSBオーディオのループバック結果。
ノイズ、ダイナミックレンジ、全高調波歪みは、USBオーディオのループバック結果を上回っているw
アッテネーターで心配したステレオクロストークも良い値だ。
このUSBオーディオはかなり残念なスペックなため、実際にはもっと良い結果であることが推測できる。
いつもハイレゾ音源を聴いている、会社をめでたく隠居した大先輩へお祝いの品として進呈したところ、ハイレゾ音源よりCDプレイヤー+このアンプの方がとても音が良いとのことで、ローレゾに戻ってしまった。
作った本人も、このヘッドホンアンプは大成功であった。
アッテネーターによる音質の低下は全く感じられない。
手放すのが惜しかったw
そのうち自分向けにもう1台作るか。。。
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