2014年12月29日月曜日

バイポーラ入力オペアンプをFET入力へ変換(その2)

(その1)からの続き。
(その1)では、バイポーラ入力オペアンプの扱い難さを書いたが、その解決策として、バイポーラ入力オペアンプの前段に、FET入力回路を付け足してあげることを閃いた。こんな回路。

色んな仲間が加わった!

見れば分かる通り、入力抵抗が220kΩとモリモリ大きい。直列に入っている4.7kΩはFETを使った差動入力の定石みたいなものなので気にしない。
この回路の周波数特性を見てみると、

とても素敵な形

低域はほぼフラットと言って良いだろう。高域も自然な感じで落ちている。
ちなみに出力オフセットは、

マイクロのオーダー!

約213uV!ほぼ無と言っていいだろう。
FETが2SK30なためgmが小さいのと、オペアンプを同相入力で使っているため、歪率はそんなに良くないが、2Vpp出力時で、

Total Harmonic Distortion: 0.000048%

の歪率であった。小数点以下にゼロが4つ並ぶとは、なかなかではないか。

実機で試すしかあるまい。


ポチっと押していただくと、僕のランキングが上がって創作意欲が湧いてくるんです(笑)
ご協力をお願いします m(_ _)m
☆にほんブログ村 電子工作
☆にほんブログ村 オーディオ

バイポーラ入力オペアンプをFET入力へ変換(その1)

オーディオ用のバイポーラオペアンプが安価で出回ってるが、その入力部分がバイポーラな(トランジスタで構成されている)ため、いつも回路設計が悩ましい。例えば、ごく一般的なChu-Moyタイプのヘッドホンアンプを例にすると。

みんな大好きなChu-Moyアンプ

バイポーラ入力オペアンプ特性より、R1=R2//R3でないと出力のオフセット電圧を最小にできない。
※「//」とは並列の合成抵抗(の演算子)を表す。

ここに入力Cを加えてみる。

C1が仲間に加わった!

ここで問題になるのは、C1とR1がハイパスフィルタを構成していることである。
一般的にR2は熱雑音の関係で10kΩ以内が良いとされている。倍率約3倍のアンプとすると、R2=10kΩ、R3=5.1kΩ、R1=3.3kΩとなる。
このC1に品質の良い、実用的な大きさのフィルムコンデンサを入れたいところであるが、C1=2.2uFとするとそのカットオフ周波数は、
約22Hz
なのだ。人間は20Hzからの音を聞き取れるらしいから、これでは聞こえてるはずの音が聞こえないことになってしまう。22Hzなんて大したことないと思うかもしれないが、カットオフ周波数は上限から3dB下がったとこの値だから、周波数特性のグラフで見ると、

このざま

多少の出力オフセットは目をつむって、R1を10kΩとかにしてるのをよく見かけるが、そうするとカットオフ周波数は約6Hzになる。グラフでみると、

R1=10kΩ

多少改善された。
しかし、本当は低域の減衰は避けたいものである(バランスも大事だが)。
そこで、R1を一気に100kΩまで上げてみると、

R1=100kΩ

おーっ!低域がほぼフラット!しかし、この時の出力オフセットは、

約-54mV!

これヘッドホン挿したら、ブチッ!とかボゴッ!とかポップ音が聞こえるし、ヘッドホンにも悪い影響を与えてしまう。出力オフセット電圧は、一般的に±10mV以内が望ましいと言われている。

そこでJJは考えた。

外付けでFET入力にしてあげればいいんじゃね?

(その2)へ続く。


ポチっと押していただくと、僕のランキングが上がって創作意欲が湧いてくるんです(笑)
ご協力をお願いします m(_ _)m
☆にほんブログ村 電子工作
☆にほんブログ村 オーディオ

2014年12月19日金曜日

ClassAAポータブルヘッドホンアンプの作例(★★★★★お勧め)

「受験はつらいよ」さんより、ClassAAポータブルヘッドホンアンプの作例を頂いた。なかなかカッコよくできている。

黒いボディに青色LEDと、それにまた黒いボリュームつまみが憎い

チョーカッコいい。ちなみに、この黒いボリュームつまみはJJも持っている。
青色LEDを使っているあたり「わかってるなこいつ」みたいな感じだ。ノーベル賞も取ったし。


ポータブルプレイヤーと2ショット

このポータブルプレイヤーは何だろう!?カッコいいぞ!Walkmanかな?
色もサイズも合ってて良い、かなり良い。そしてこのステレオイヤホンがなんだか高価そうだ。受験生のくせに。。。

本人の希望によりモザイク処理

ノーコメントにしておこう。外見良ければ全て良し!

オペアンプに、LME49860とMUSES8820を使ったキメラ構成とのこと。
そのレイアウトからして、初段がLME49860、次段がMUSES8820であろうか。
電源コンデンサにOS-CONを使うとか、なかなかブルジョアである。受験生のくせに。。。

今までで最高の音との評価をいただき、とてもありがたい。
両面基板を使ってたり、ハンダ付けも丁寧にしてあり、その実装技術は高い。ケーブルの配線をもっと頑張ろう(笑)

勉強もしろよ!


ポチっと押していただくと、僕のランキングが上がって創作意欲が湧いてくるんです(笑)
ご協力をお願いします m(_ _)m
☆にほんブログ村 電子工作
☆にほんブログ村 オーディオ

2014年12月7日日曜日

LME49720(バイポーラ入力型オペアンプ)に最適化したポータブルHPA(★★★お勧め)

LME49720、というかバイポーラ入力型オペアンプに最適化したヘッドホンアンプを作ってみた。結局は入力抵抗と、帰還(接地)抵抗の定数決めだのだが。

両電源はLT1010バッファを使う

どうせやるなら、電源も抵抗分圧でなくLT1010を使ったバッファで作った。
このまま作ると、タカチのプラスチックケースSW-75Bに入らないため、立体的に作るとする。
低域のためには、もう少し入力抵抗を増やしたいところだが、手持ちのSW付き2連ボリュームが10kAしか無かったため、この値で落ち着いた。

左端に90°立ってるがLT1010を利用した両電源回路

小さな基板に両電源作成回路を作って、垂直に立ててケースへ入れることに。
基板上の土地が限られてるため、パソコンのマザーボード用の超低ESRのやつを使う。これ、容量の割に小さいのよね。


電源回路の拡大写真 

ベースのアンプ基板とはホットボンドで接着している。強度的に心配だが、これだけケースの中がムチムチだから大丈夫だろう。


006P電池も入れた絵

これ以上の回路を増やすなら、根本的にベースのアンプレイアウトを見直すか(ぱっと見、割と空き地があるのだが、裏には電源とアースラインが走ってるのだ…)、アンプ基板の上方に2階建てにするしかない。

まぁ、無理してLT1010で両電源を作らなくても、抵抗分圧で十分な感じがするが、立体構造が今回のテーマの一つだったので(笑)
抵抗分圧よりはグランドが揺れないから、音質面での良い高価はあるだろう。

音は、やっぱりLME49720。
高価だけあってクリアで品のいい素晴らしく良い音だ。


ポチっと押していただくと、僕のランキングが上がって創作意欲が湧いてくるんです(笑)
ご協力をお願いします m(_ _)m
☆にほんブログ村 電子工作
☆にほんブログ村 オーディオ