2015年2月28日土曜日

1石FETソースフォロワーの検証

修理おじさんのリクエストにより、実機では無いがシミュレーションで、1石FETソースフォロワーを検証してみた。電流源を抵抗にするか、定電流にするかで違いが出るのだろうか。電圧、Nch/Pchとイコールコンディションでは無いが、傾向は分かる…かもしれない。
また、シミュレーションのパーツライブラリの都合で、修理おじさんの回路とはFETが異なるのは悪しからず。一応、似たような特性のを使っている。


評価回路その1 

Pch-MOS FETのソースに抵抗を入れただけの簡単な回路。


その1の周波数特性

高域の伸びが素晴らしい。カーブも綺麗で素性の良さを感じる。


その1の歪率

Total Harmonic Distotion: 0.040119%
これは、32Ω負荷で2Vpp出力時である。利得無し、負帰還無しで0.1%を切ってるのはなかなかではないだろうか。

次に、Nch-MOS FETを利用し、ソースに定電流源を使った回路を検証してみる。


評価回路その2

Nch-MOS FETのソースに定電流源を入れただけの簡単な回路。


その2の周波数特性

どこまでも伸びる高域。。。
その1とは全然違う高域のカーブである。これはシミュレーションで使った素子の違いが出ているのだろうか。


その2の歪率

Total Harmonic Distotion: 0.047866%
これも、32Ω負荷で2Vpp出力時である。その1より電圧が低く不利なはずなのに、その1とほとんど変わらない値である。
修理おじさんも書いてあるが、パワー感以外の違いを感じられないのは、シミュレーション結果でも現れている。

修理おじさんのおかげで、1石 MOS FETのソースフォロワーの奥深さを知ることができた。感謝。


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2015年2月27日金曜日

たった1石(MOS-FET)ヘッドホンバッファアンプ(★★★お勧め)

たった1石(MOS-FET)、それも単電源で想像を絶する音の良さ。
バッファアンプなため、利得は0dBである。あまり音量は取れないが、爆音にできないだけであって、必要十分な音量は取れる。
こちらに実機の検証記事をアップしました。


アクティブ素子は片Chで1つだけ

たったこれだけの回路である。超絶簡単。


レイアウト図

とにかく大食らいなため、抵抗が大きい。A級だからしょうがない。
RMAAで計測してみた。


1石とは思えない結果

オペアンプを使ってもなかなかここまでは出ないのではないか?
計測に使っているベリンガー(UCA222)のループバック結果と比較してみよう。


UCA222との比較

ほとんど劣化してないことが分かるだろう。
オペアンプやディスクリートで作るのがバカらしく感じる…こともないが。
欠点としては、大きな電源が必要なことと、かなり熱を持つことである。
ACアダプタは、+15~+20Vで少なくとも1Aは流せるものが必要だ。
元々+19Vで設計してるため+19~20V/2A以上を推奨する。


巨大な酸化金属被膜抵抗

ソース抵抗は熱対策のため、高く浮かせてある。
ポップノイズ防止に、前回作った出力遅延回路を使用。


パーツ個数購入先備考
3Ω/1W酸化金属被膜抵抗2千石など電源ローパスフィルタと突入電流防止用
68Ω/5W酸化金属被膜抵抗4千石などMOS-FETのソース抵抗
100kΩカーボン2千石などバイアス用
300kΩカーボン2千石などバイアス用
IRFB4410PBF2秋月などMOS-FET
10u/50Vバイポーラ電解コン2マルツなど入力C。日本ケミコンSMEなどの一般品
1000u/25V電解コン2千石など出力C。東信UTESなどの一般品
2200u/25V電解コン2千石など電源C。東信UTESなどの一般品
放熱器2秋月などMOS-FET用
10kΩ Aカーブ2連ボリューム1マルツなど
ユニバーサル基板1秋月秋月ユニバーサル基板タイプB
ACアダプタ1秋月など+15~+20Vで1.5A以上の出力があるもの
パーツ表

ジャンク品を漁れば千円以内で揃うのではないだろうか。
電解コンは、オーディオ用を謳ってるやつより一般品の方が色が付かなくて良い気がする。
高域の伸びが素晴らしい。かと言って、刺さる感じでは無い。低域もズシンと出てくる。
消費電流が多いのと、かなり発熱するため、★は3つにしておこう。音的には4つ★である。

殿堂入りしてもいいかもしれない。もう少し聴き込んでみよう。


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2015年2月22日日曜日

オペアンプ+1石バッファなヘッドホンアンプ改(★★★★お勧め)

お手軽に作った「オペアンプ+1石バッファなヘッドホンアンプ」が想像以上に良い音だったので、ちゃんと作ってケースへ入れることにした。オペアンプをグレードアップして、(この記事には載せてないが)電源も強化した。
出力Cのせいで、電源ON時のポップ音が「ギュイーン」と、いかにもヘッドホンに悪そうだったため、ヘッドホン出力時の遅延回路も後付けしてみた。

こんな回路。

オペアンプをグレードアップ

終段Trのエミッタ抵抗を、2Wの酸化金属皮膜抵抗を3つパラレルにして負荷分散し、発熱を減らす試みをしてある。


スカスカ簡単

部品点数も少なく、簡単である。酸化金属皮膜抵抗は、放熱のため基板から少し浮かせて取り付けてある。


出力遅延回路

左に見える基板の切れ端で作ったのが、トランジスタとリレーで組んだ出力を遅延する回路だ。これでもまだ、リレーが切り替わった時に「ポン」と音がするが、「ギュイーン」よりは音が小さく、精神衛生上にも良い。


ヘッドホン出力時の遅延回路

この定数で約1~2秒の遅延がある。1000uは少し大きすぎるかもしれない。220uでギリだったため、余裕をみて1000uにしたのだ。


土地がいっぱい余っている

単電源だし、出力バッファが1石だから部品点数が少なくて簡単だ。
ついでに出力遅延回路のレイアウト図も載せておこう。


基板の切れ端でできる簡単回路

抵抗(カーボンや酸化金属皮膜抵抗)、コンデンサは全て一般品。
前回は入力Cに(一応オーディオ用の)「MUSE ES」を使っていたが、今回は日本ケミコンの「SME」シリーズを使ってみた。
単電源だからACアダプタ(15Vで少なくとも1A以上流せること。JJは19Vのアダプタ出力をレギュレータで15Vに落としてある)で動くし、手軽に作れるが、その音は殿堂入り寸前の素晴らしい音であった。。。


ケース入りした勇姿

純A級とはなんであるかの意味が分かったような気がする。


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2015年2月16日月曜日

オペアンプ+1石バッファなヘッドホンアンプ(白鵬レベル)

オペアンプ+1石バッファなヘッドホンアンプ」を格付けして白鵬レベルとした。
少々定数を見直して、ちゃんとケースに入れてあげたい。


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2015年2月15日日曜日

オペアンプ+1石バッファなヘッドホンアンプ(★★★お勧め)

前回の記事で考えたヘッドホンアンプを作ってみた。


スカスカな回路図

ユニバーサル基板で全てが完結する簡単なアンプである。ケース加工が不要だからマジ簡単。電源は転がっていた12VのACアダプタ。


秋月ユニバーサル基板で完結

 抵抗は全てカーボン。ローコストだ

終段Trのエミッタ抵抗はセメント

こ、これは。。。想像の100倍は音が良い。なんだこれは!?
めっちゃいい音。入力Cなんて、バイポーラな電解コン、その他の電解コンも全て一般品、フィルムコンなんてオペアンプに1個しか使ってないのに。そのオペアンプもNJM5532。。。これが純A級ってことなのだろうか。

RAMMで測定してみた。


総合評価"Verry good"

ディスクリートや、オペアンプ+2石以上のバッファと遜色ない性能だ。

作るの簡単だし、これは楽しい♪


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2015年2月12日木曜日

オペアンプ+1石バッファなヘッドホンアンプ(構想)

このブログでも、オペアンプにトランジスタでバッファを組んでいるが、ほぼプッシュプルで、さらにダーリントンだったりINVダーリントンだったりと、トランジスタをいっぱい使ってしまう。その分、回路が複雑になったりするのだが。
いっそトランジスタ1石のエミッタフォロアをオペアンプに繋げたら簡単ではないか?と思い立った。

こんな回路。

たった1石のバッファ

あえてオペアンプを単電源で使い、後段トランジスタのスイッチング歪みを無くしてしまう狙い。さらにアバウトに言うと、出力Cがあるから、出力オフセットの問題が発生しないため、オペアンプはバイポーラでもFET入力でもどちらでも使える万能な回路だw

こんな回路のシミュレーション結果が興味深い。


周波数特性

下から上までとても素直な綺麗なカーブを描いている。高域も安定的だ。


歪率

Total Harmonic Distortion: 0.000091%
32Ω負荷、2Vpp出力時の歪率である。これには驚いた。

これは作らねばなるまい。
ただし、欠点が1つあって、こいつむちゃくちゃ大飯喰らいなのだw


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2015年2月9日月曜日

「低歪ディスクリートヘッドホンアンプの作製Vol2」コメント紹介

mofumofuさんより、「低歪ディスクリートヘッドホンアンプの作製Vol2」へのコメントが届いたのでこのリンク先で公開します。

このような客観的評価がいただけると、とても嬉しいです。
mofumofuさん、作ってくれてありがとうございます。

できれば作例として紹介したいので、写真でも送ってもらえると嬉しいです。


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2015年2月3日火曜日

「ClassAA再び。パワーアンプ編」の作例

ClassAA再び。パワーアンプ編」でコメントをいただいた鍋象さんから作例を送ってもらった。JJが考えた回路よりはるかに凝った回路を組んであって脱帽せざるを得ない。

早速吟味してみよう。


鍋象さんVer

工夫点その1:
ホイーストンブリッジの33Ω抵抗を、75Ω抵抗と100Ωの可変抵抗の並列合成で実装。JJはテクニクスが見つけたブリッジの黄金比をあっさり捨て、可変抵抗1個で済ませてしまう手抜き工事だったのに。。。

工夫点その2:
JJは初段の2回路オペアンプの1回路をボルテージフォロアで生殺ししてたのを、なんと鍋象さんはその余った1回路でDCサーボを実装していた!これは驚きである。JJは資源を無駄遣いしていた。これは反省点であり、おおいに参考にしたい。JJは、DCサーボはまだ研究段階で実装経験は1回しかないのだ。また研究を再開したい、と思ってしまった。
DCサーボは一種のアクティブなローパスフィルタで、出力オフセットの抑制はもちろん、サウンド的には締まった低音が出るとされる。

工夫点その3:
電源部はアンプの命。電源部がとても丁寧に実装されている。ちゃんと電流の逆流防止のダイオードも入れてある。JJの電源部がいかに手抜きかが分かるだろう。

工夫点その4:
LM675を、ユニバーサル基盤の2.54mmピッチ列を斜めに使って実装しているとのこと。JJはラジオペンチで脚をフォーミングして無理矢理ブッ挿していたのが恥ずかしい。。。回路図しかいただいてないが、ぜひ実装後の現物を見てみたい。鍋象さん、写メ送ってね!

尊敬点その1:
回路図がとても読みやすく描かれている。なにがどう違うのか上手く説明できないが、とても読みやすい。JJは、ギュウギュウに詰め込んで描くような気がする。鍋象さんは、大きな領域に伸び伸びと描いてあってとても読みやすい。

疑問点その1:
入力インピーダンスが低すぎる気がする。4.4kΩではないか?
このアンプの前に接続するデバイスへの負担と、そのデバイスの出力Cの値によっては低域の減衰が懸念される。
が、実は鍋象さんはプリアンプも自作しているそうで、その辺はいらぬ心配だろう。

その他:
このアンプの実装でヒューズを2回飛ばしたそうだ(ぷぷぷ)。
しかしJJは、ヒューズ飛ばした回数は数知れず、トランジスタも燃やすし、タンタルコンは爆発させるし、電解コンも爆発寸前まで膨らませた(笑)
失敗を恐れていては上達無しとゆーことにしておこう。

鍋象さん、作ってくれてありがとう!それも色々工夫してレベルアップしてもらえてありがたいです。ここで紹介するので、実装後の写メもぜひ送ってね!


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JJ47と本家Fig9.(A47の元祖)の特性比較(シミュレーション)

JJ47式ヘッドホンアンプと、TI本家OPA2604のデータシートに載っている「FIGURE 9」の特性をシミュレーションで比較してみよう。
このFIGURE 9はA47ヘッドホンアンプの元祖となっているようだ。


データシートからちょっと拝借

R1とR2の値が分からないから、ここは一般的に利得3倍のヘッドホンアンプを想定して5.1kと10kにする。

評価回路はこんな感じ。


Fig9.の評価回路

なるべくデータシートに忠実に再現することにする。


JJ47の評価回路

Fig9.は(たぶん)データシート通り±15V、JJ47はクロストーク対策で電源とシリアルに33Ωが入ってるから約1V低下して±14Vとする。

評価は全て32Ω負荷で、2Vpp出力時の結果である。

先ずは、歪率から。JJ47は出力抵抗の47Ωが負帰還の外にあるから歪率は不利なはずだ。


Fig9.の歪率

0.000028%とさすがに低い。TIが堂々とデータシートに載っけてるだけはある。


JJ47の歪率

0.000033%。予想通りFig9.より悪いが、そこまでの差は無い。僅か0.000005%の違いだ。

周波数特性も見てみよう。

Fig9.の周波数特性

おやおや、なんだか高域が暴れてる。2MHz付近にピークもある。


JJ47の周波数特性

少々急だが1MHz付近からストンと落ちてる。高域の暴れもピークも無く、素直な特性だ。

JJ47は、特性的にはFig9.と同じか上回っている部分もある。
なかなか良いではないか!

最後にZobelフィルタの効果を、これは実測値で比較してみる。測定はRAMMを使った。


Zobelなし

高域のクネクネは、測定に使っているUSBオーディオUCA222の癖だからしょうがない。おそらくクネクネがなければ低域から高域までフラットだろう。


Zobelあり

10KHz付近から落ち込んでるのがハッキリわかる。
普段使いのAKG K550は、10kHz付近からインピーダンスがグングン上がるのだ。その影響で高域がイガイガ…よく言われる女性ボーカルの「サ行」が不快に感じたり、高域が刺さる感じがするのを、このZobelフィルタが抑え込んで、結果としてフラットになっている(と思いたい)。
実際、Zobelありの方が上から下まで素直な音で、イガイガ感が完全に無くなる。これは実聴して感じたことだ。

Zobelフィルタの定数は、各ヘッドホンに合わせた値じゃないと意味がないが、なんとなく対象のヘッドホンの公称インピーダンス+0~5Ωの抵抗と、0.1uのフィルムコンデンサでなんとかなる気がする。
よく、10Ω抵抗と0.1uのを見かけるが、あれはスピーカー向けの定数ではないかと思う。スピーカーのインピーダンスって、4~8Ωが多いし。


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2015年2月1日日曜日

JJ47式ヘッドホンアンプ(★★★お勧め)

ありそうで無かったこんな回路。

 A47オマージュ

A47式ヘッドホンアンプの回路を見て閃いたこの回路。
シミュレーションしてみると、これがなかなか良かった。作らねば。
シミュレーション時はZobelフィルタは外してある。実際作って聴いてみたら高域がイガイガしたから、今はAKG K550向けの定数で入れてある。
負荷と直列に47Ωが入ってるから利得は2.4倍ぐらい。この47Ωがムダに電力を食うが、これがないと特性が暴れるからしょうがない。


周波数特性

入力Cが無いから低域はフラット。高域は若干急だが素直に落ちている。


2Vpp出力時の歪率

Total Harmonic Distortion: 0.000033%
これは期待できる。


いつか作った電源部

可変電源を持ってると楽である。色んな回路で使い回しができる。
まぁ、これじゃなくても±15Vで0.2Aぐらい流せる電源を持っていれば何でもOKだ。±12Vでも良いよ!


完成

オペアンプと抵抗とコンデンサで作れる簡単な回路だ。


RMAA結果

Excellentを2つもらって、総合評価がVery goodをもらって嬉しい。
RMAA計測のため間にUCA222が入ってるから本当はもっといいはずなのだ…
もっと高性能なUSBオーディオが欲しい。

Zobelフィルタを入れて、高域の刺さりが無くなり素直になった。
音はオペアンプなのにディスクリートで作ったみたいな感じでJJ好みのサウンドだ。これは横綱級といっていいだろう。こんなに簡単な回路なのに!


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