2013年12月8日日曜日

低歪ディスクリートヘッドホンアンプの作製Vol2(★★★★お勧め)

Tr差動入力+INVダーリントン出力のヘッドホンアンプ回路に、CRによるクロストーク対策を施した。

シンプルな回路。終段のINVダーリントンにより、出力インピーダンスを下げることで低歪を狙う。
クロストーク対策の3300uは電源強化の役割も担い、これも低歪に貢献する。
シミュレーションしてみる。

評価回路。ここにはバイアスの68Ωが付いているが、トランジスタに放熱器を付けない場合はこの68Ωも外した方が良い。

周波数特性。
上から下まで素直だ。

応答性。
なかなかの応答性。リンギングも出てない。

歪率。32Ω負荷、2Vp-p出力。
高調波二次、三次が出てない。
その歪率は。
Total Harmonic Distortion: 0.000093%
いいね!

パーツレイアウト。

やたらめったらトランジスタを使う必要がないことが分かった。

あと、自分はFETよりトランジスタの音が好きなことも分かった。
入力Cの影響は思ったより小さい。
ハイパスフィルタを形成するから重低音は損ねる?かもしれないが、ほどほどの方がバランスが良い。

クロストーク対策により、音が前後左右に広がったような気がする。
低音は締まって、中音は安定、高音はキラキラ。

これが到達点なのだろうか。。。

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24 件のコメント:

  1. こんにちはmofumofuと申します
    ヘッドホンアンプで検索してここへたどり着きました。
    電子工作初心者なのですがどんな音が聞こえるのか興味がありまして、実装図も公開されていますので製作チャレンジしてみたく、部品収集中です。
    1つ質問があるのですが回路図中の100Ωの半固定抵抗ですが最終調整はどこで確認すればよろしいのでしょうか?
    よろしくお願いいたします。

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    1. mofumofuさん、コメントありがとうございます。
      製作していただけるということで、光栄に思います。
      さて、最終調整ですが、下記の手順で実施してください。
       ①入力をショートする(INとGNDを繋げる。ボリュームは半分くらい?回す)
       ②出力とGND間がなるべく0VになるようVRを調整する(OUTとGND間の電圧を計る)
       ③②のまま15分ぐらい放置して出力トランジスタの温度が安定したら、再度②の調整を行う
      です。
      VRを回しても調整できないようなら、回路のどこかに間違いがあるかもしれません。チェックしてください

      また、供給する電圧ですが、電圧降下が発生するのでVccとVeeは±16Vぐらいにしてください(回路図中の±12Vと指してる箇所が±12V前後になるように。±11~13VならOKです)。

      では、検討を祈ります。

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    2. 上記で書いたボリュームは10Kのこと、VRは100Ωのことです。紛らわしくてすみません。
      また、Vcc/Vee付近の82Ωは念のため1/5Wのものにしてください。

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  2. 回答ありがとうございます
    部品収集にはげみます。それとコメントにある82Ωは1/5Wというのは1/4Wでも問題ないのでしょうか?またこの82Ωはどのようなねらい(役割)があるのでしょうか?
    よろしければ教えていただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。

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    1. ご・ごめんなさい、1/5Wは間違いで1/2Wです。。。
      この82Ωで4~5Vの電圧降下が発生するのですが、もし5V降下した場合この抵抗で0.3Wの電力を消費します。1/4W(0.25W)だと定格を超えてしまうので、1/2Wとしています。
      また、82Ωの役割ですが、この抵抗と3300uのコンデンサでローパスフィルタを構成しています。左右のChは電源を共有しているので、出力の音声信号が反対のChに漏れてしまいます。そうするとステレオ感が損なわれたりするので、このローパスフィルタによって中~高域の信号を遮断しているのです。

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  3. こんにちはmofumofuです
    こちらの記事のアンプ基板と以前の記事【2013。11。19】のリップルフィルターの基板を作成したのですがリップルフィルターから出てくる電圧が±20vと高めで出てきてしまいました。私が作成しましたリップルフィルターは15v【10va】のトランスを2個使用し、ダイオードブリッジを2箇所でなく1箇所にしましたがその他の部品・回路は記事と同じで作成しました。このままではこのアンプに供給できないので82Ωをリップルフィルター出口に入れて16vぐらいに電圧降下させてからアンプに電源供給しても音質的に問題ないでしょうか?よろしくお願いいたします。

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    1. 先ずは、整流直後の電圧と、リプルフィルターを通った後の電圧差を見てください。そこに有意な差(約5V)があればリプルフィルターは機能してます。もし差が無ければ、フィルター回路の配線間違い(16kΩ抵抗のハンダ付けが上手くいってない等)が考えられます。

      また、測定は負荷を繋げてから行ってください。無負荷時は電圧が高く出ます。
      ちなみに、こちらで実験した結果、
      無負荷時:整流直後は23.6V、フィルター通過後は18.4V
      アンプ接続時のフィルター通過後は15Vです。
      ※ちなみにJJのトランスは15V/0.2Aです。3VAってことになります。

      最後に、この記事のアンプは、82Ω抵抗と3300u電解コンデンサでローパスフィルタを構成しており、約0.5Hz以上の周波数を遮断しています。なので、リプルフィルターは不要なのです。トランスからブリッジで整流した場合、リプルの周波数は関東だと100Hzなので全く通しません。なので、12Vのトランスを整流してそのまま電源にしてます。

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    2. もしリプルフィルターが機能しているなら、ローパスフィルタの82Ωで約6Vぐらいの電圧低下があるので、たぶん大丈夫だと思います。が、自己責任でお願いします。

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  4. 無事完成しました。
    無負荷時は高めの電圧だったのですが、ヘッドホンアンプ部分を接続後は−12.7V、+13.4Vとなりました。
    いやー音の広がりが良いですね。低音もしっかり出ていますし、高音はキラキラとしていますが刺さるようなことは無く心地よいです。私の他数人に聴いてみてもらったのですが皆高評価でした。
    たくさんの助言ありがとうございました。
    次は究極のClassAAヘッドホンアンプを製作してみます。

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    1. mofumofuさん、こんな面倒な回路の作成をありがとうございます。そして、何より客観的な評価をいただいたことが嬉しく感じます。重ねてお礼申し上げます。
      ClassAAも良いアンプですが、最近は「バイポーラ入力オペアンプをFET入力へ…」の方が好みで良く聴いています。こちらもお勧めです。
      http://settembre21x.blogspot.jp/2014/12/fet_30.html

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  5. 「バイポーラ入力オペアンプをFET入力へ…」は初段のFET選別が必要なようですね。
    選別マシーンがない・・・
    頑張って作るか。

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    1. あー、そうなんです、FETの選別が必要です。選別マシーンは地味に面倒くさいので、ClassAAを作ってみて納得できなかったら「バイポーラ…」に逝ってくださいw
      ClassAA、割と簡単だし。

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  6. JJ先生に触発され僕もバランス出力のやつをディスクリートで作ってみた。回路は全然違うけどきっとこれがいい音に違いない(オペアンプ使ったやつより曇りがない音に聞こえる、クソ耳だけど)。SoundBombeサイズにコンデンサー入らなくてオペアンプのDCサーボ付けちゃった。あとでブログに書きます。

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    1. ブレッドボードで組んだのも凄いけど、実際の基板の実装密度が凄い!
      このサイズで4Ch分が組み込めるんだ…DCサーボまで!
      JJは目と腰にきそうで無理ですハイ。

      最近のJJは、シングルなアンプにハマりそうですw
      スイッチング歪みが無い世界って素晴らしいのかもしれない。あと、NPNとPNPってコンプリと言っても全く同じ特性じゃないしね。

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    2. で、これも最近思うのはオペアンプの音って綺麗にまとまり過ぎてるというか、つまらないというか、自分で作った気がしないというか、そんな感じ。
      数値的な特性は素晴らしいんだけど、そうじゃないような気がしてきた今日この頃。

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  7. JJさん、こんにちは はじめまして
    トランジスタのディスクリートを探していてこちらにたどり着いたので作ってみました
    ほんといい音です、上から下まで力強くて余裕のある音でなってます
    音の分離もいいので、聴き疲れしなくて驚きました
    いつもより音量上げちゃいますw
    こんなステキな回路をありがとうございます

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    1. いも助さん、こんな面倒な回路を作っていただき、それも良い評価をいただきありがとうございます。
      今でもこの子はJJのリファレンスとなっております。
      最近はシンプルな回路がマイブームですが、やっぱりこの子はいつでも聴ける状態にしており、新しい回路と聞き比べて相対評価をしています。
      お礼をいただき恐縮です。こちらこそコメントありがとうございました。

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  8. JJさん、はじめまして。。 WhiteStoneと申します。
    ヘッドホンアンプをいくつか製作し、JJさんのHPに
    たどり着きました。TPA6120A2ヘッドホンアンプ→
    安い・簡単・音が良いヘッドホンアンプと製作し、
    どうしても低歪ディスクリートヘッドホンアンプの音が
    聴きたくなり部品収集を始めて数カ月、ついでに
    電圧可変電源も作りつつ、ついに完成しました。
    私好みの引きしまった低音、中域から高域まで
    つややかに、ボーカルの伸びやストリングスも
    繊細に再生してくれています。エージングはこれか
    らですが、思わずニンマリして曲を変えるたび鳥肌が
    たってます。
    作った順番に再生力が上がっていき、さすが横綱と
    いったところです。。 
    すばらしい回路をありがとうございました!!

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  9. JJさん、こちらのアンプを作成して音の良さに感動しているのですが、
    出力段のトランジスタ2SA1837, 2SC4973&2.2Ωが焼けてしまって
    (原因不明)一度交換しました。その1週間後ぐらいにまた半導体が
    焼ける時特有の臭いがして焼けそうになりました。
    その時はGNDの配線が外れかけていました。また焼いてしまうのは
    嫌なのですが、原因として、何が考えられるでしょうか?
    電圧は、トランス2基を使って、有負荷状態で±12V弱になっています。

    あと、一度異臭がしたトランジスタはまた交換したほうが
    いいですよね・・・?まだ一応正常動作はしているようなのですが。

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    1. 匿名さん、こんにちは。
      出力段が焼けてしまったとのこと。
      バイアスを作っているダイオードと熱結合していますか?
      あと、おそらくヘッドホンのインピーダンスが30Ω以下(16Ω等)ではありませんか?
      もし、ヘッドホンのインピーダンスが低い場合、ボリューム位置によっては1837/4973だと出力が定格を超えてしまいます。
      その場合は、終段を2SC3851A/2SA1488A等へ変更してください。

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  10. ご返答ありがとうございます。ダイオードとトランジスタは
    エポキシ接着剤で熱結合しています。
    ヘッドホンのインピーダンスは32Ωです。
    ハンダミスのショート等の可能性も考えて、いろいろ検討してみます。
    もし2SC3851A/2SA1488Aに変える場合、抵抗の定数はそのままでOKですか?

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    1. このアンプへの入力機器は何でしょか?もしCDプレイヤーの場合、ライン出力の出力電圧が大きめなので、ボリューム位置によっては危ないかもしれません。あとは、定電流源に使っているLEDが高輝度タイプになってませんか?高輝度タイプのLEDはVfが高いので、定電流値も大きくなり、終段のアイドル電流も大きくなります(常時熱を持った状態になり得る)。
      2SC3851A/2SA1488Aへ変更しても回路定数は変わりません。2SC4973/2SA1837よりもPcが10倍以上あるので、これでも焼けるようなら回路を疑った方が良いです。

      真因が分からないので、仮説でしかないです。すみません。。。

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    2. ありがとうございます。LEDは秋月の非高輝度タイプの赤色LED(SLP-9118c-51H)です。入力機器は自作DAC(PCM5102+LCパッシブLPF)です。まずはご紹介頂いたトランジスタで試してみます。

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    3. PCM5102を調べたところ、出力が2Vrmsとなってますね。これは±約2.8V(約5.6Vp-p)の振幅となります。かなり出力電圧が高いですね。
      おそらく、これが焼ける原因だと思います。
      アンプの入力か、DACの出力にアッテネーターを噛まして出力を半分ぐらい減衰させた方が良いかもしれません。
      現在は、ボリュームを少し回しただけで爆音になるのではないでしょうか?
      アッテネーターは、π型で2k/1.5k/2kぐらいで丁度良い減衰になると思います。アンプとDACに実装したく無ければ、先ずは百均で売ってるオーディオケーブルの途中に入れて試してみてはどうでしょうか?
      アッテネーターを噛ませば、2SC4973/2SA1837でも焼けることは無いと思います。
      アッテネーターはステレオ左右で抵抗が高々6つあれば構成できるので、オーディオ用の金属被膜抵抗で簡単に作れます。

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