2014年10月12日日曜日

ClassAA再び。パワーアンプ編。設計&実装&完成!

あれから色々検討した結果、最終的には次のような回路となった。

※Zobelフィルタが抜けてたので差し替え。
※LM675直近の電源用コンデンサ(1000u)が抜けてたので差し替え。

前段のオペアンプには贅沢にもMUSES8920を奢ってみた。それも左右別基板としたので、1回路分はボルテージフォロアで殺してある。

前記事より、ブリッジの抵抗値をそれぞれ1/10とし、定格ワット数を0.33、0.1、0.22を1Wとした。シミュレーションでは、入力に2.0Vppを与えても1Wで収まる結果である。

シミュレーションでの周波数特性。
100KHz付近に少し山があるけど、そう鋭くもないし良しとする。

約1W出力時の歪率。
Total Harmonic Distortion: 0.000034%
ClassAAの特徴なのか歪率は良い。パワーアンプにしてはアホみたいに良い値である。でも、やっぱり100KHz付近に山が(笑)

作ってみた。

水平に保つため、エアコンのリモコンの上に乗っけてあるが、気にしないで欲しい。1W抵抗は酸金を使っている。こいつら熱を出すから基板から少し浮かして取り付け。
中央奥に鎮座してらっしゃるのがLM675ご本尊である。3Aも流せるパワーオペアンプ。

LM675だけで基板を支えるのは心許ない(パワーなくせ足が細いんですよ)ので、ホムセンで買ったL字金具で取り付けを補強している。

LM675はケースで放熱してある。この放熱面、ちゃんと雲母版で絶縁してたのだが、最初は金属ネジを使ってしまい、

 ・ヒューズを1回飛ばす
 ・SBDブリッジが2回火を噴く(なぜか負電源だけ)

原因がさっぱり分からなく、うっちゃり投げ出しそうになったのだが、ふとLM675のデータシートを読んでみると、放熱面はVEE(つまり負側)だよと書いてある。それでやっと気がついた。金属ネジを通じて、アースと直結…つまりショートしてたんですわ(笑)それで、写真の通り、プラネジで固定してまつ。気がつくのに丸1日を費やしてしまった。その間、電源基板を2つダメにして、1つ新規で作ってしまった。。。
ヒューズが飛んでしまった応急処置。良い子はマネしちゃダメだ。

うっちゃり投げ出しそうな時、気分直しに餃子を作った。
今回は皮から手作り。
包む。
焼く&食らう。
手作りの皮は、市販の物と比べものにならないくらいモッチモチしてて超絶美味しかった。ビールが進みまくった。皮の手作り、お勧め★★★★★★

ClassAAパワーアンプの話に戻すと、オフセットは0コンマ数mAの世界。流石オペアンプである。
音は、ClassAAのヘッドホンアンプと同じ傾向だ。上から下までとても綺麗な音。キッチリカッチリした音である。だからと言って、高域が耳に刺さることはない。割と大きな音を出しても、LM675は温かいぐらい。
回路図を見ると分かるとおり、初段のオペアンプはレギュレーターで±15Vまで落としてある。よって、レギュレーターによりリップルは除去されている。
特筆すべきは、LM675へはトランス2次側から整流したものを直接ぶっ込んでいる。リップルありマクリマクリスティである。
それでも、ノイズ皆無、ハムも皆無、クリアである。まぁ、そこまでフルスイングしてないせもあるが。
ちなみに、負荷6Ωで10W出力時(出力22Vpp)の歪率をシミュレーションしてみた。

さすがにノイズが増えるものの、それでも
Total Harmonic Distortion: 0.001177%
である。恐るべしClassAA。

このクリアな音を聴きながら、今は秋である、美味しい物が食べたくなった。
栗を剥くのはいつの時代も苦行である。。。これが美味しい栗ご飯になることを妄想してモチベーションを保つのであった。
虫さん、こんにちは。自主規制で画像を小さく&モザイクをかけているが、苦手な方は閲覧注意。

炊けた。
食らう。

良い音で好きな音楽を聴きながら食べる秋の味覚は格別であった。
色々あったが良い連休になりそうだ。

アンプの全貌。
早くヒューズを買わねば。。。
回路自体は部品点数も少なく簡単なものだ。3連休、もう明日で終わりだけど、丸1日費やすぐらいの価値はあるかもしれない。この回路の肝であるLM675は秋○で売っている。

それとこのアンプ、案外パワフルである。かなり大きな音でJJが好きなメタル(笑)を流しても音を上げない。LM675も涼しい顔(熱くならない)をしてる。

もし、これを作りたいメタルファンがいたら、その旨のコメントをいただければ、パーツ表とパーツレイアウト図を公開するかもしれない。。。

なんと、リクエストがあったので、パーツ表とレイアウト図を公開するw

パーツ個数購入先備考
10Ωカーボン抵抗4千石などWブリッジとZobelフィルタ用
33Ωカーボン抵抗2千石などWブリッジ用
1kΩカーボン抵抗2千石など負帰還の接地抵抗
9.1kΩカーボン抵抗2千石など負帰還抵抗
100kΩカーボン抵抗2千石など入力抵抗
0.1Ω/1W酸化金被膜抵抗2千石などWブリッジ用。1Wなら酸金でなくても可
0.22Ω/1W酸化金被膜抵抗2千石などWブリッジ用。1Wなら酸金でなくても可
0.33Ω/1W酸化金被膜抵抗2千石などWブリッジ用。1Wなら酸金でなくても可
100pフィルムコン2千石など位相補償
0.1uフィルムコン2秋月、千石などZobelフィルタ用
0.1uフィルムコン(小さいのがいい)2千石など指月SMCなど。7815のCout
0.33フィルムコン(小さいのがいい)2千石など指月SMCなど。7815のCin
1u/16Vタンタルコン2千石など7915のCout
2.2u/16Vタンタルコン2千石など7915のCin
1000u/16V電解コン4千石などLM675Tの電源用
NJM78152秋月などLM7815でも可
NJM79152秋月などLM7915でも可
好きな2回路入りオペアンプ2秋月、千石など電圧増幅
LM675T2秋月など電流増幅
以上全部、千石と秋月で全部そろう。

ユニバーサル基板は、秋月のCタイプ基板を前提としてあるが、それより大きければなんでも良い。
ただし、LM675Tの放熱を(アルミ)ケースに取り付けてするなら、基板のLM675Tの放熱面側を削る必要がある。ショートには気をつけて。
また、LM675Tは足を少し曲げて上図のように取り付けること。
オペアンプをソケットを使って取り付けるなら、必ず7815より先にソケットを取り付けること。パーツは背が低い物から順番に取り付ける鉄則である。
そうしないと、後で大変な苦労をすることになる。

※後日訂正記事を投稿します。
訂正記事その1
訂正記事完結

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8 件のコメント:

  1. おつかれさまです~

    餃子の皮は真ん丸でなくてもぜんぜん無問題、さらに
    栗は虫食いのほうが安心できることは当隊も確認しています。
    しかしブリッジの抵抗のバランスが崩れるとどうなるかについては
    不覚にも未確認です。

    例えば0.1Ωが5%くらい変わると特性はどう変わるんでしょうかねえ?
    うる覚えですが、Sandmanさんは5%のバランス崩れで初段の負荷抵抗が
    理想値の無限大から2kΩぐらいに低下する、と見積もってました。

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    1. 虫さんは栗の美味しい部分を食ってるそうですよ!まぁ、それは先住民の特権ってことで。

      さすが、じんパパさん、鋭い所を突いてきましたね。
      JJもそこは気になってたのですが、ワット数が大きい精密な抵抗って高いんですよね。じんパパさんの言う通り、かなりバランスを崩してると思います。なぜならば、初段のオペアンプが少々熱を持つんです。
      ヘッドホンアンプなら誤差1%の金被が使えるんで、そっちは金被で組んでみようかと思います。

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  2. 興味あります2014年10月18日 7:10

    いつわも楽しく拝見してます。
    たまたま手持ちでLM675があるし、トランスも15v×2があった。作ってみたいのでパターンを公開して欲しいです。ワクワク��

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    1. パーツ表とレイアウト図を公開しました。

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    2. 訂正記事を投稿する予定なので、まだ実装しないでね!

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  3. こちらを参考にOPA2604+LM675でパワーアンプを作りました。2604で余った1回路はDCサーボにして、出力コンデンサと保護抵抗を省きました。代わりにスピーカー保護回路を入れています。ゲインをいじって9W+9Wくらいに作りましたが、もっと小ワットで十分かも。まだエージング中で評価はこれからですが、なかなか良い感じです。
    LM675は、ユニバーサル基盤の2.54mmピッチ列を斜めに使って√2倍の3.6mmピッチとして使うと、きれいに収まりますし配線を考えやすくなります。ヒートシンクが邪魔ですが。

    ちなみに、僕もヒューズを2回飛ばしました。原因は突入電流でした。今は5Aのヒューズに変えてしのいでいます(汗)

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    1. 鍋象さん、色々改善した上での実装をありがとうございます。
      ClassAAはまだまだ奥深く研究途中であります。
      鍋象さんの回路をどこかで公開できると嬉しいです。
      メアドを公開してますので、回路図をいただければこちらのブログで公開します。もちろん非公開を望むなら公開はしませんよ!

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    2. 参考までにメールで送信させていただきました。人様に見せるような内容ではないのですが、皆さんのご参考なり叩きのめし台にでもしていただければ幸いです。

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